臨床医として働きながら米国MPH受験

卒後7年目産婦人科医。日常診療に忙殺されながらも海外MPHに向けて奮闘中

ザンビアに行ってみた④〜Visiting Luano〜

この日が最もTOUGH DAYと言えそう。

 

ルアノ地区訪問

...どこ?笑

 

グーグル先生にお伺いしてもスペルわからずなかなか出てこなかった笑。ここらしい☟

Google Map上でのLuano

また面白いのが、アップしてもアップしてもなんも詳細地図が出て来ないんだわ笑。

Google Map 拡大

 

従来は毎週水曜に巡回診療を行なっているらしい。片道4時間強、ガタガタの道、とのこと。

乗り物酔いには強い方ではあるので、丸腰参戦笑。

ガタガタ道っていうのは道のせいもあるけど、車のせいもあるかも。地面は赤土、小石、時々Bush笑。道中には猿、リス、うし、やぎ、鶏なんかいたりして、各所各所に村があって、子供たちは車を見かけるといつも笑って手を振ってくれる。

そんな姿にほっこりしていると、同行してくれていた山本さんより、「この辺2匹ライオンが出たらしいです、今んとこ遭遇してません。」と。わお。リアルサファリパーク笑。

 

でもその凸凹道、なんとなく既視感あって、思い返してみると、あーレイテ島だ。と思いついた。レイテのSHSの学生といった訪問診療は1時間強、デコボコ道を車で行った。

飛んだど田舎の”こんなところにポツンと一軒家”みたいなところまでの訪問診療は南佐久地域で散々やってた。(道は整備されてたし、軽自動車でドライバーは運転慣れしたベテラン看護師さんだったけど)

なんとなく自分の今までの経験が、学生時代/研修医時代っていう違いはあれど繋がっているような気がした!

 

ルアノ地区は人口不明の子沢山ど田舎。多分3000人くらいらしい。

ヘルスポスト建設中。ヘルスポストができるまではこの月に1回片道4時間かけて巡回診療を行なっているという。助産師、看護師、ドライバー、コーディネータの山本さんで。

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業務は主に必要検診。薬剤配布。

受付→定期検診、マラリアチェック→妊産婦検診/Family planning→薬局

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と並んでいる。妊娠何週かなんて誰もわからず、多分なんとなく検診なのかな。

診察を受けたい人は、カルテとなるノートを購入、そのノートに対応する番号札をもらうという。いわゆる、診察券かな。

ノートさえもらえれば無料で診察が受けられる。他の公立病院も全て無料であるため、この診療も無料で行なっていると。

よくある疾患としては、腸炎(下痢、嘔吐)、マラリアがダントツらしい。そんな1ヶ月に1回しか診療に来なくて緊急時どうするのかというと、それらは全部この村にすむ、コミュニティヘルスワーカーがその役目を担っている。

 

コミュニティヘルスワーカーとは

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コミュニティヘルスワーカーさんたちとの写真📷

6週間の研修を受けたこの村の人、薬剤を処方する権利を持っている。薬剤といっても、マラリア薬、点眼抗生剤、整腸剤のみで、風邪薬は出せないそうな。

私たちが訪問した日は6名が挨拶に来てくれたが、本当は7、8人?くらい。

村人たちは具合が悪いと24時間365日いつでも、薬を求めにコミュニティヘルスワーカーの家を訪ねてくる。

そんな6週間の研修だけで村のお医者さんみたいで良いのか?と思うところもありつつ、その村の出身でありながら、村のためにコミュニティヘルスワーカとして働いているというのはCommunity-based medicinenのあるべき姿な気がした。しかも彼らは完全ボランティア、無休。365日無休で、患者は5-6人/day、多い時は20人程度になる日もあるという。

日本人感覚だったら信じられない。

大学病院の安賃金にブーブー言ってたレジデント時代が恥ずかしくなるほど。いや、あれは雑用にブーブーいってたんだっけ😭笑

なんでコミュニティヘルスワーカーになったの?と聞くと、なんか村長さんに勧められたんだ、それに村の人たちが困ってるなら、なんかしないとね、と。

リーダーシップを取れる素質がないとダメということなんだろう。

 

このCommunityのために尽くす感、これにも既視感。。。。あ、研修医時代訪れたレイテ島SHSだった。

レイテ島SHSは、自分のコミュニティで医療者となるために村びとからの推薦を受けて、学校へ行き助産師となり、村に還元、さらに看護師を目指す場合は村人からの推薦で学校へ行き、看護師となり村に還元、さらに医師を目指す場合は村人からの推薦で学校へ行き、医師となり村に還元。。。

 

全く一緒やん!!!

 

国際保健て違いはあれど共通しまくり。

 

家庭訪問

帰りがけに一人のコミュニティヘルスワーカーさんの家を訪問させてもらった。

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妻は2名。第一夫人邸へ。長女と孫も来てくれた。

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もうだめ、ベイビーが可愛すぎて🥰

母子手帳なし。子供は12人、孫は15人以上と。。。おいおいあなた何歳…?と思ったが50-代らしい。恐るべし。

長女の旦那らしき人もいたが、ボケー〜っと座ってなんもしない。長女は孫を抱えながら昼ごはんを作ってた。おいおい旦那も働けよ、、、とも思ったが、旦那の仕事は待つこと、らしい。妊娠してようが、子供が喚こうが、女性は疲れちゃいけない。食事を作って、洗濯をして、子供をあやして、寝かしつけるまでは手を止めちゃいけない。それがザンビア人女性らしい。

主食のNSHIMA(シマ)を作ってた。放牧してるヤギと鶏のフンがそこいら中にあって、ハエの数が尋常じゃなかった。綿も作ってた。綿はよく作れるそうだが、加工はできないから、綿を輸出し、加工され、高価な綿製品をまた買ってる。

ザンビアにはお金を生み出しにくい要素が詰まっている。

 

ヘルスセンター

更に帰りにヘルスセンターをチラ見した。

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毎回の巡回診療で異常がある場合は、このヘルスセンターに紹介される。ヘルスセンターは分院、みたいな位置付けだろうか。入院病棟、分娩室をもつ。

でも待て待て。

ルアノからヘルスセンターまで、思えば車を2時間半走らせている。

ここまでみんなどうやってくるの?と問うと、歩くんだと。8時間以上かけて。ジン発したってなって、8時間歩けないわ!辿り着かず道で産んでしまったり、面倒になって自宅分娩にする人も少なくないと。

緊急性がある場合は巡回診療の帰りに車でヘルスセンターまで送っていってくれるそうだ。それでも、2時間半だからね。

マラリアでSepticになっても間に合わないし、5人目のこの分娩も間に合わないでしょ、と思った。毎日お産はあるそうな。ここにいたら、専門医に必要経腟分娩数、1ヶ月で取得できる気がする。。。笑。

 

基礎知識なくきてしまったが、医療システムはこんな感じの様子。耳覚えでやや自信ないけど、あってるかな?😹

ザンビア 公立病院 医療体制



気がついたらもう夕方で、往復8時間の長いデコボコ道ドライブは腰にきますね。

車も土と砂で真っ白になってたよ

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でも帰りはバンピングしながらも爆睡していた私。

 

山本さんは帰りに道で野菜買ってた。

農業は盛んで、野菜はいっぱい取れるとのこと

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ヘトヘトで即寝しました笑。

今日もアフリカの夕日は真っ赤っか!🌞❤️
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